校長室からお届けします。


  2017年11月  「成長」は、口にすることで、一歩前進に
 自然災害により、大切に育てた豊かな秋の実りを収穫間近で断念せざるをえない状況に、全国各地で多くの方が大変な思いをされています。1つの実をつけるために、1粒の米を1本の花を1株の野菜を育てるために、どれだけ愛情をかけて世話をされてこられたことか。そう想像するだけで、その悔しさや脱力感は計り知れないものがあります。「買う」ということは、ただ物と金銭を交換するということではなく、その苦労や育てた人の思いを大切に受け取るということだと改めて感じます。「買い物をするとき」「食事を作る・食べる・片づけるとき」「使うとき」あらゆる機会を通して、人の気持ちも想像することのできる子どもたちに育ってほしいと願っています。

 さて、台風21号が迫る中、5年生の子どもたちは長野県で自然教室を行いました。多少雨でぬれることはあっても、しっかりと多くの活動を楽しむことができました。各自が役割を果たすまでには失敗もありました。失敗し、自分たちの行動を振り返り、行動を変えようと努力し、たった3日ですが、大きな成長がみられた3日間となりました。沢山の人にお世話になりながらも、自分で苦労し、自分で考えることで、協力する大切さや楽しさを感じている様子に、来年度の最高学年の姿を想像することができました。
 また、6年生は野川中学校区の3小学校が集まり、運動を通して交流する「地区別運動会」を経験しました。当然運動が苦手な子どももいます。しかし取り組む種目から誰一人逃げずに、練習を重ねていました。互いを思いやることのできない言動も見られ、その度に学年や学級で話し合っていました。「自分たちの記録を皆の力を合わせてのばす」という目的に向かって、葛藤しながら努力する姿が見られました。その精神面での成長は、教師と児童との絆もそうですが、6年生の友情の絆という形となって表れていくはずです。
 そして、10月末には、町会長や自治会長・子ども会会長や民生委員・主任児童委員・PTA役員等の皆様で構成されている「学校教育推進会議」を開きました。学校での取り組みや様子、全国学力・学習状況調査結果等について説明し、子どもたちの授業風景や給食風景を参観していただき、学校の現状についてご意見や感想をいただきました。そこでは、「ICTの活用による授業が効果的」「子どもに問いかけながら参加型の学習となっていた」「掲示物や机の配置の工夫がされている」「挨拶がしっかりとでき、活気があり、また切り替えもできる」「教室配置がふれ合えるようになっている」「子どもも教師も熱心に授業をしている」「階段の緊急時の引き取りが常時掲示され、防災意識が感じられる」「学校全体が明るく、子どもに活気があり素晴らしい」「年々良くなっている」等々。大変温かい言葉をいただき、さらに気を引き締め、皆様と共に力を合わせて取り組んでいこうと気持ちを新たにしました。きっとプラスの面に視点をあてて話していただけたのでしょう。今後とも、地域・保護者の皆様のお力添えをよろしくお願いします。




  2017年10月  「成長」は、比較できない一人一人の中に
早いもので、もう10月。登校すると毎朝、朝顔を観察する1年生の姿が印象的です。
今日は種が何個とれるか、乾燥した実を見つけて1部屋1部屋から丁寧に種を取り出しています。たった2粒や3粒の種から、100個以上もの種がとれるわけです。1粒1粒を大切に思う1年生の気持ちが伝わります。子どもたちも同じです。初めは小さくてもできることが少なくても、朝顔が酷暑や大雨に耐えながら新たな力を育ててきたように、一人一人の子どもたちは、その子どもの中で多くの成長をしています。
 4月からの学年だよりのタイトルには、そんな子どもの成長を願う各学年の教師や子ども自身の思いが溢れていますので紹介します。思いを共有していただけると嬉しいです。

1年生「はじめのいっぽ」:1年生は学校の始まりの第1歩。その1歩をしっかりと踏み出し、ゆっくりと確実に前に進んでほしいです。そして、はじめの1歩を踏み出した時の気持ちをこれからも大切にしてほしい、そんな願いをこめました。

2年生「歩〜あゆむ〜」:1歩を踏み出してから1年。歩みの歩幅は人と違ってもいい、少しずつでもいい、でも確実に成長してほしいです。周りの友達に合わせて、時に立ち止まる優しさももてる子どもに成長してほしい、そんな願いをこめました。

3年生「おおぞら」:青く澄み渡った広い大空。とても気持ちのいい大空。そんな大空を見ていると、悩んでいることも喧嘩していることも小さなことのように思えてきます。3年生75名、大きく広い心をもった人になってほしい、広い心で友達を受け入れてほしい、そんな思いをこめて、あえて平仮名の「おおぞら」にしました。

4年生「心を合わせて」:様々な機会を通して、みんなで協力することを大切にしてほしいです。それは、一人一人の思いを互いに大切にしていく中で、一人ではできないこともできるようになる楽しさを味わえるからです。学年みんなで気持ちを合わせ力を合わせて、1年間を過ごしていけるようにという願いを込めました。

5年生「♪協奏曲♪」:4年生の時には、「ハーモニー(二つ以上の調和した響き)」でした。5年生では次のステージにレベルアップしてほしいという願いから、複数の独奏楽器と管弦楽で演奏され多楽章からなるコンチェルトのように、個性豊かな5年生として心を一つに全員で歩んでいこうという思いで、「協奏曲」としました。

6年生「飛翔」:学年実行委員を中心に各クラスで話し合って学年だよりのタイトルを決めました。6年生は西野川小学校での学びの集大成の年です。未来への思いを込めたいという子どもの声が聞こえました。飛翔は、誰の手も借りずに雛が巣立つということです。そんな風に、自分の力で大空へ飛び立てる6年生になるという願いを込めました。(4月末に子どもたちと決定)


 うまくいかないことや苦手なことはありますが、それを超えようと努力する心の強さと負けそうな心の弱さのバランスを整えながら、酷暑や大雨のように大変なことも成長の糧と子ども自身が思えるように、今後も保護者の方と力を合わせて取り組んでまいります。





  2017年9月  「お陰様で」を感じて

今年は梅雨を通り越して夏が来て、7月の平地で秋の七草の一つである女郎花が咲いているという風景に、日本の四季に危機感すら覚えました。そんな中、大きな事故や病気もなく、元気な子どもたちの声が校舎に響いているのは、大変嬉しいものです。

 私は毎年の夏休みに高校野球甲子園中継と、24時間テレビを見るのを楽しみにしています。選手・ベンチ・応援席の心が一つになり大きな力を発揮する高校野球には、「諦めなければ終わらない」という心の叫びが聞こえてきます。勝敗にかかわらず子どもたちの本気の姿が感じられます。また、24時間テレビの挑戦の一つでしたが、聴力の弱い子どもたちがマリンバという楽器でパフォーマンスをしながら一つの音楽を創り上げていました。音が聞こえるから「できる」、聞こえないから「できない」と決まっていないことを、改めて考えさせられました。「できるようにしたい」本人の思い、「できることで自分に自信をもってほしい」という人々の願いが合致し、人の何倍も何倍もの練習し、うまくいかない苦しさを味わうという試練を乗り越えて、最後までやり遂げる姿を見せることができました。また24時間マラソンの裏話として、休憩場所は初めから決まっているわけではなく、30分前に番組スタッフが走り、交渉して休憩場所を貸してもらっていたことを知りました。

 どれにも共通して言えることは、最後まで諦めない本人の気持ちを支えるのは、その何倍もの裏方(周り)の力があったということなのです。諦めない気持ちや背中を押したり、できたことを認め課題を共に確認したり、多くの手助け(食事、交渉、助言等々)という表には見えない仕事を担う裏方の力が、いつも人や事を支えていました。

夏休みに5年生が稲の観察を兼ねて水やりをしていたので、今、西野川米は育っています。役員さんが夏休みでも正門前の花壇に水やりをしてくれていたので、元気に花は咲き続けています。校内では日直の先生が全クラスの水槽に餌をあげていたので、金魚やメダカは元気です。先生たちが夏休みに特別室のワックスをかけたので、ぴかぴかです。用務員さんが、職員玄関前階段のペンキを塗ってくれたので、明るくなりました。夏休み明けに、横断歩道に何人もの保護者の方が立ってくださっているので、久しぶりの登校でも子どもたちは安心して登校できています。

 当たり前のことを当たり前にできる生活は、実は多くの人の力があって成立しているということを、子どもたちには知ってほしいと思います。自分の人生の主役は自分ですが、主役とは周りに目を向けることができ、相手の気持ちや立場を考えても行動できるから、誰もが主役となれるのはないでしょうか。これから「ふれあい西野川」もありますし、「避難所開設訓練」もあります。一つ一つのことに、多くの人が知らない中でたくさん関わっていることに感謝して、これからを大切にしていきたいものです。「お陰様で」という日本の言葉、本当にいいものです。





  2017年7月   人生をよりよく生きるために

梅雨となっても雨が少ない中、7月を迎えようとしています。気温が30度を超える晴天の日が続くと、これからの貯水率が心配されます。無くなってから大切に思うのではなく、あることに感謝しながら大切に使うことを心掛けて、当たり前の生活を送ることができるように、一人一人注意を払っていきたいものです。

 今学校では、「キャリア在り方生き方教育」を進めています。これは、文部科学省が出した「キャリア教育」を、一人一人の子どもが自分の人生をよりよく生きるための生き方を学んでいくものとしてより視点を明確に示したもので川崎版のキャリア教育です。以前は兄弟姉妹も多く大家族の中で暮らしていましたが、社会変化の中、その暮らし方にも随分変容がみられるようになってきました。様々な良さがあり、簡単に世界ともつながる合理的な生活の中でも、自分で汗をかき苦労しながらやり遂げる満足感や工夫して課題に対応していく力、人間関係や社会形成の能力、自己理解や自己管理能力は重要なものです。

 そこで、「キャリア在り方生き方教育」では、上記のような力を育てていくために、3つの視点で学びます。視点@「自分をつくる」(学びや体験を通して、自立の主体である自分自身に自信をもち、自己を高めようとする)視点A「みんな一緒に生きている」(互いの人格を尊重し、協力、協働して社会を積極的に形成していこうとする)視点B「わたしたちのまち川崎」(心のよりどころとしてのふるさと川崎への愛着を深め、郷土への誇りをもつ)。これは、新たな教育活動を始めるというのではなく、教育活動全般を通して意識しながら培っていくものです。ですから「キャリア在り方生き方教育」の時間が新たにあるわけではありません。

 例えば、先日5年生の研究授業を行いました。国語のインタビューの単元です。国語の「聞く・話す」の目標の達成を目指しながら、そこで扱うのが、「友達の魅力を伝える」というものでした。知っているようでよく知らないのが自分のことであり、友達のことです。友達の気持ちを考えながらインタビューをして、友達のことを詳しく知る活動は、「自分をつくる」「みんな一緒に生きている」という視点で国語の学習を通して自己理解や他者理解の育成を目指しました。もちろんすぐに結果は出ませんが、この小さな積み重ねの学習が、子どもの根を育てていきます。生き生きと意欲的に学習する子どもの姿や相手を気遣った対応が見られた学習でした。

 この力は、学校だけで育つものではありません。地域の中で、そして家庭の中で常に意識しながら取り組んでいくことが、将来の子どもの生きる力を育てます。夏休みという地域や家庭に子どもが浸れる機会を有効に、そして大切に経験させてください。7月1日は市制記念日です。93周年を迎えます。一緒に考えてみるのもよい機会です。






  2017年6月   ゆるやかに、そして確実に成長する子どもの姿

今年の暑さは際立ち、温暖化の影響に体調管理が心配されます。朝や夜の少し冷えた空気感と昼間との気温差は大きく、体力を維持するには食事と睡眠が一層大切になります。また、登校時や校外での着帽により体力の消耗も変わりますので、再度お子様への声掛けと見守りをお願い致します。まだ2か月ですが、子どもの身長や体重にも変化が見られ、体力面でも成長が感じられます。これからが楽しみです。

 5月20日(土)の第38回運動会は快晴。保護者の皆様や地域の皆様と共に、子どもたちの本気で頑張る姿を多くの場面で見ることができた楽しい時間でした。朝早くから子どもたちの応援に駆けつけてくださり、暑い中全員の応援団として最後までご覧いただけましたことに感謝申し上げます。当日だけではなく、前日も含めて、PTAの皆様やおやじの会の皆様を中心に、多くの場面で助けていただきました。地域の皆様には、練習から当日まで、子どもたちの頑張りを見守っていただきました。ありがとうございました。

子どもたちの誠意ある応援や活躍に、たくましく成長していく姿を確認できました。走る姿には、少しでも前に行きたいという思いがフォームからも感じられました。各学年の表現では、できなかった時間を克服したステップや動き、周囲と動きや高さを合わせ少しでも美しく演技しようと頭を使い心をも成長させていく姿が、楽しさと共に感じられました。団体競技は、当該学年は当然のこと、見ている応援席の子どもや保護者の方、全ての方と心を一つにした時間でした。また最後に優勝旗・準優勝杯・応援賞を受け取った時の両応援団長の爽やかな態度からも、全ての仲間と共に精一杯に闘った満足感が感じられました。早速、5年生や4年生からは、次年度「応援団をやってみたい」等の声が聞こえています。立派な先輩の姿を見て憧れ、自分自身も「近づきたい」「超えたい」と、後輩達が育っていきます。この経験を通して「最後まで頑張れた自分」に自信をもち、子ども自身がこれからにつなげていくことができるように取り組んでまいります。ご家庭や地域での更なるご理解とご支援をお願いいたします。

 毎年木陰のある組と日向の組を交換していますが、日向の組の応援席にテントがあるといいというご意見もいただきました。ありがとうございます。余分なテントや遮熱のシート等はありませんが、野川中学校から借りることも実は検討していたのです。しかしテントを張ることで通路の確保が難しくなるだけではなく、保護者席の更なる減少も覚悟していただかなくてはならなくなります。今後PTAでも相談をしていきたいと思います。その時には、一層のご協力をよろしくお願いいたします。





  2017年5月 

 

5月20日、無事に運動会を終えることができました。たくさんのご声援、ありがとうございました。





  2017年5月 


ハナミズキの薄桃の花が青空を見上げ、小鳥の声にも新緑と共にたくましさが感じられる頃となりました。各学年の子どもたちが1学年進級して努力している姿に、私たちの心も浮き立ちます。運動会に向けた子どもの動きもそろそろ始まり、学校には新たな活気が感じられます。新入生も1年生という意識が芽生え、正門でのあいさつが大きな声でできるようになってきました。地域の方々やPTA役員の方々に温かく見守られ、皆元気に登校しています。これからも、地域での見守りをどうぞよろしくお願いいたします。

 4月初めの朝会では、3月の終わりに新しい学年で頑張ろうと話したことを3つ再確認しました。1つ目は、「あいさつ」です。毎年、自分からあいさつをする子ども達が増えていて気持ちの良いあいさつができています。さらに、今年度の課題としては、「いつでも」「誰にでも」「自分から」を意識して、自然にあいさつをすることです。これは子どもだけではなく、地域・保護者・教師といった大人も含めて、あいさつが飛び交う環境を作っていくことが大切です。ご協力をお願いします。

2つ目は、「あきらめずに取り組む」ことです。始まりは「うまくできない」ことが自然です。それを「できるようにすること」を目指して努力する中で、子どもは試行錯誤しながら成長します。できることだけに価値を置かず、うまくできない原因を考えて勉強の仕方や遊び方を改良するという経過の中で、考える力が付き、自主性が育ち、考え方にも柔軟性が生まれます。「できない」「やりたくない」とすぐに諦めない姿勢を育て、力を伸ばそうと努力する子どもを応援していきたいものです。

3つ目は、「言葉遣いに気を付ける」です。西野川小の子どもは、大変優しい子どもです。しかし一般的に子どもは、様々な情報元から多くの言葉を身に付け、悪気がなくとも時として乱暴な言葉や汚い言葉を発してしまうのは気になるところです。聞いていてもあまり良いものではありません。どんな言葉をどんな口調で話すのか、このことは人柄につながる大事な感覚です。言葉や態度は人を表します。言葉遣いに気を付ける中で、人の気持ちも考えられる、そんな子どもを保護者や地域の皆さまと共に育てていきたいと考えます。 

 これからの学校生活で、子どもたちは自分の苦手とも向き合うことでしょう。うまくいかず、心の葛藤もあるでしょう。負けた悔しさを味わうこともあるでしょう。そこを避けずに自分に負けないように粘り強く努力しようとする子どもの成長を共に見守り、心からの励ましで西野川小の全ての子どもを支えてくださるよう、よろしくお願いいたします。






  2017年4月 


自然の坂道から、鮮やかな濃い紅色の花桃が命の芽吹く春を告げています。3月末から4月初めにかけて寒の戻りもあり心配していた桜でしたが、始業式・入学式を待っていたかのように咲き誇っています。ご入学・ご進級おめでとうございます。

4月3日に新6年生が登校し、新年度準備を教職員と共に行いました。自分たちの役割を認識して、てきぱきと仕事をしている姿からは、昨年度の卒業式で「西野川小学校を受け継ぎます」と6年生に誓っていた言葉の意味を実感している様子がうかがえました。文句も言わずに懸命に働いた6年生に拍手を送ります。そして、4月5日の着任式・始業式・入学式では、どの学年の子ども達もひと際輝いていました。校門でのさわやかなあいさつの声に、始業式の生き生きとした態度に、伸びようとする気持ちが感じられ、これからの1年間が楽しみなさわやかな始まりとなりました。今年度は63名の新入生を迎え、397名での新学期スタートです。一人一人の子どもの成長をチーム西野川で支えます。そして、その学校の支えとなっていただけるのが、保護者の皆様であり、地域の皆様です。社会の変化に伴い、昔とは変わっていくことは多いですが、真剣に学ぶことや他人と協調し思いやりの心をもつことは、いつの時代でも大切にしたいものです。そして、さわやかな始まりを豊かさに変えていくためにも、皆様のお力添えをお願いします。

子どもは今、正に自分を豊かにするために学ぶ時です。沢山の苦労と葛藤を抱え、うまくいかない経験や思い通りにならない経験を重ねつつ、豊かな人を目指し、心の在り方や態度を学んでいきます。時間はかかりますが、どんな時も保護者や地域の皆様と同じ気持ちで、確かな力を身に付けていくことができるように、皆様と手を携えて子ども達を支えていきます。今年度も引き続き、本校教育へのご理解とご支援をよろしくお願いいたします。