学 校 長 挨 拶


平成23年4月5日
川崎市立下作延小学校 校長 橋本晃一


春という季節は「春光」や「春の匂い」という言葉からのイメージに見られるように「柔らかさ」を感じさせてくれます。厳しい寒さを凌いで、春の日差しにほっとした心の持ちようが表れているのかもしれません。年度末の離退任式には、保護者の皆さんを始め卒業した皆さんも、多数ご参会をいただきありがとうございました。昨年度は本校より9名の職員が離退任をしました。卒業式といい離退任式といい、この下作延小学校から巣立っていく皆さんが、この場所で、ともに学びあったことを誇りに感じながら新たなスタートを切ってもらえることが何よりです。そんな素敵な旅立ちが毎年普通に行われる学校であることをめざしていきたいと思います。私自身の心持ちからすると、ともに頑張った子どもたちや職場の仲間が離れていくことは、心の中にぽっかりと穴があいたように、とてもさびしい気持ちになります。「現状」がこのままずっと続くとは思ってはいないものの、止めようのない時の流れと自分の意志ではどうにもならない動きとがあいまって、別れの季節はいつも心が落ち着かなくなるのです。 年度が変わり、今日は出会いの季節がやってきました。新しい友達や職員との出会いの日ですが、新しい自分との出会いの日でもあります。新しい楽しみや目標を見つけ出す季節でもあるのです。そういう意味では、春光もまた一段と輝いてみえる気がしています。 下の詩は 谷川俊太郎氏の「春に」という作品です。春になるとよく子どもたちにも読んでいる詩なので、一部ご紹介します。

春 に
この気持ちは何だろう
目に見えないエネルギーの流れが
大地からあしのうらをつたわって
ぼくの腹へ胸へそうしてのどへ
声にならないさけびとなってこみあげる
この気もちはなんだろう
    ・
    ・
地平線のかなたへと歩きつづけたい
そのくせこの草の上でじっとしていたい
大声でだれかを呼びたい
そのくせひとりで黙っていたい
この気もちはなんだろう


この谷川俊太郎氏の「春に」には、希望に満ちた春の光を浴びながら、何かに期待しながら、じっとしていられないくらいのわくわく感に燃えている心の内、エネルギーが見事に表されていると思います。新年度のスタートはこんな気持ちであってほしい。私たちはそれぞれの立場で、新年度を迎え、希望に満ち満ちている子どもたちの、保護者の、地域の皆さんの、教職員の、今の気持ちを大切にし、1年間希望を持ち続けながら、新しい自分に成長する姿を求めていきたいものです。本年度もご理解とご協力をお願いします。

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