授業におけるIT活用実践事例集の作成
―教員のIT活用指導力の向上を目指して―

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II 平成16年度(今年度)の研究 ―実践編―

(1) 教員のIT活用指導力の見直し

1 教員のIT活用指導力の見直し

昨年度の研究では、教員のIT活用指導力を下の図3のように、「基本的な操作能力」「授業活用能力」「情報教育の基本能力」「校務の情報化能力」「情報モラル・危機管理能力」の5つに分類した。また、「情報モラル・危機管理能力」はすべての能力にかかわると判断し、他の4つの能力の中に分散して配置した。

この分類について、研修講座に参加した教員及びいくつかの学校から”4つの能力の中に分散して配置した情報モラル・危機管理能力は独立させた方が判断しやすい”、”情報モラル・危機管理は今日的な大きな課題である”等の意見が寄せられた。この分類の見直しを行い、図4のように「情報モラル・危機管理能力」を独立させることとした。

昨年度の研究における「教員のIT活用指導力の分類」
図3 昨年度の研究における「教員のIT活用指導力の分類」

見直した「教員のIT活用指導力の分類」
図4 見直した「教員のIT活用指導力の分類」

2 IT活用指導力における各能力の基準の見直し

教員のIT活用指導力の向上を考える上で必要なものが「何がどのようになったら向上したか」といった基準である。そこで昨年度は「平成14年度文部科学省委託事業 日本教育工学振興会「ITを用いて指導できる」基準の作成のための調査研究報告書 平成15年3月」を参考にし、上記1のIT活用指導力の分類と関連させ、独自に「IT活用指導力自己評価票」(表3)を作成した。

本研究は、情報モラル・危機管理能力を独立させた分類の変更に伴い、「IT活用指導力自己評価票」の見直しを行った(表4)。

表3 IT活用指導力自己評価票

能力 コード 評価項目 段階



I
T




A


































E










































A-1
A-2

A-3
A-4

A-5

A-6
A-7

A-8

A-9

A-10
ファイル管理(ファイルのコピー・移動・削除・フォルダの作成)ができる。
ワープロソフトで文書処理(文字入力、文書作成、印刷、保存)ができる。
表計算ソフトを使って、集計処理(計算式を使った集計)ができる。
データベースソフトを使ってデータ処理(検索用のインデックスを付け、データを検索・分類できるデータベースの作成)ができる。
インターネットにアクセスして必要な情報を検索し、利用することができる。
教育用ソフトを使用してコンピュータを活用した授業等ができる。
プレゼンテーションソフトとプロジェクタを使って、文字や画像情報等により概要説明ができる。
プロジェクタによってコンピュータ画面上のネットワーク提供型コンテンツや電子教材などを提示しながら授業等ができる。
KEINS-NETの電子メールにおいて、添付ファイルを含む受信・送信ができる。(川崎)(モラル)
学校・研究会(部会)などのWebページの作成・変更ができる。(川崎)
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B






B-1
B-2

B-3
B-4

B-5
B-6

B-7

B-8
B-9

B-10
授業でITを使った学習指導案を計画することができる。
自分の授業でITの効果的な活用が可能な単元や題材を挙げることができる。
自校のコンピュータシステム環境を理解し、活用することができる。
授業を行う際にKEINS-NET(メール・掲示板・リンク集)を活用できる。(川崎)
授業で活用する素材や資料を加工することができる。
学習を評価するために必要な情報機器及びその特徴を活かした活用例を挙げることができる。
わかりやすく提示するための機器の利用及びプレゼンテーションソフトを活用できる。
授業で使用する学習用ソフトウエアを活用することができる。
授業を行う際に、他機関から提供されているコンテンツを使うことができる。
児童生徒が情報の収集・発信をするときに、情報モラルの指導ができる。(モラル)
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C









C-1

C-2

C-3


C-4
C-5

C-6


C-7
C-8
C-9
C-10
情報教育の3つの目標(「情報活用の実践力」「情報の科学的理解」「情報社会に参画する態度」)を挙げることができる。
情報教育の実践と学校の情報化 〜新「情報教育に関する手引」〜(平成14年6月文部科学省)の内容を理解している。
教育の情報化は、情報教育、各教科等の学習指導における情報手段の活用、校務の情報化から構成され、すべての教員が担うべきことであることを説明できる。
学校段階ごとの情報教育の体系について説明できる。
ネットワークから得られた情報の信頼性、信憑性を理解し、そのことを説明できる。
川崎市総合教育センター及び公的機関が実施する情報教育関連の研修を受講し(または、同程度の理解をしている)授業の中で活用している。(川崎)
情報教育指導者認定研修を受講し校内研修を実施している。(川崎)
コンピュータウイルス感染に関する予防と対応ができる。(川崎)
KEINS-NETを利用するときに必要なルールを理解している。(川崎)
コンピュータ及びネットワークを利用する上において個人情報や著作権、また、健康への影響の配慮の仕方について説明できる。(モラル)
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D








D-1

D-2

D-3

D-4

D-5

D-6
D-7

D-8

D-9

D-10
校務文書や資料の作成にワープロソフトや表計算ソフトを活用でき、利点について説明できる。
校内での様々な活動をディジタルカメラを活用して記録及び発信でき、その利点について説明できる。
行事等の計画・立案のために事例や資料をインターネットを活用して収集し、利用することができる。
学級経営や成績処理、進路指導等のために、表計算ソフトを活用し、その利点を説明できる。
校務に必要な資料をKEINS-NETの電子メールで受信・送信ができ、その利点について説明できる。(川崎)
校務で学校のWebページを活用している。(川崎)
各種のデータをサーバに保存し、活用する際の利点と留意点について説明できる。(モラル)
個人情報や著作権に関わる各種データを取り扱う際の留意点を説明できる。(モラル)
保護者や地域の人たちとの連携促進のためにITを活用し、その利点について説明できる。
校内を情報化する利点について説明することができる。
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表4 見直した「IT活用指導力自己評価票」

能力 コード 評価項目(基準) 得点



I
T




A








A-1
A-2
A-3

A-4

A-5
A-6
A-7
A-8

A-9

A-10
ワープロソフトで文書処理(文字入力、文書作成、印刷、保存)ができる。
表計算ソフトを使って、集計処理(計算式を使った集計)ができる。
プレゼンテーションソフトを使って、授業や発表に使う資料を作成・表示することができる。
ウイルス対策ソフトを使って、フロッピーディスク等の媒体を使用する前にチェックすることができる。
ファイル管理(ファイルの複写・移動・削除、フォルダの作成)ができる。
インターネットにアクセスして、必要な情報を検索し、利用することができる。
自校に導入されている教育用ソフトを使用することができる。
コンピュータ画面上のネットワーク提供型コンテンツや電子教材などを、プロジェクタで提示しながら授業等ができる。
KEINS-NETのTeamWAREを使って、添付ファイルを含んだメールの受信・送信ができる。
学校や研究(部)会などの、Webページの作成・変更ができる。
100〜0
B






B-1
B-2
B-3

B-4
B-5
B-6
B-7
B-8
B-9
B-10
ITを活用した授業を実践することができる。
授業におけるIT活用の視点と効果について3つ以上あげることができる。
自分の授業でITの効果的な活用が見込める単元や題材を3つ以上あげることができる。
ITを活用した授業の学習指導案を作成することができる。
インターネット上のコンテンツを加工して、教材を作成することができる。
自校に導入されている教育用ソフトを活用することができる。
授業でインターネット上に提供されているコンテンツを活用することができる。
授業でKEINS-NETのメール・掲示板・リンク集を活用することができる。
自校のコンピュータ教室の仕組みを知り、操作することができる。
授業で児童生徒がコンピュータ教室を利用する際の自校の約束事を3つ以上あげることができる。
100〜0
C









C-1
C-2
C-3
C-4

C-5

C-6

C-7

C-8
C-9
C-10
文部科学省の新「情報教育の手引」の概要を知っている。
情報教育の目標を1つ選びなさい。
児童生徒の情報活用能力の3つの要素を選びなさい。
小学校段階で情報教育を実施するときの基本的な考え方を3つ以上あげることができる。
中学校とそれ以降の学校段階での情報教育を実施するときの基本的な考え方を3つ以上あげることができる。
学習指導要領にコンピュータや情報通信ネットワークを活用することが示されていることを知っている。
総合教育センター及び公的機関が実施する情報教育関連の研修を受講したことがある。
総合教育センターの情報教育指導者認定研修を受講したことがある。
情報化の影の部分を3つ以上あげることができる。
情報化の影の部分への対応を3つ以上あげることができる。
100〜0
D








D-1
D-2
D-3

D-4

D-5

D-6

D-7

D-8

D-9

D-10
校務を情報化する利点を3つ以上あげることができる。
校務を情報化する留意点を3つ以上あげることができる。
校務のための文書や資料の作成にワープロソフトや表計算ソフトを活用するこができる。
校内での様々な活動をディジタルカメラやディジタルビデオを活用して記録及び配信することができる。
行事等の計画・立案のために事例や資料をインターネットを活用して収集することができる。
KEINS-NETを利用して総合教育センターのWebページ(ホームページ)から校務事務に必要な資料を3つ以上取り出すことができる。
校務事務の資料を作成・保存するのに、校内LANやサーバ機を活用する利点を3つ以上あげることができる。
校務事務の資料を作成・保存するのに、校内LANやサーバ機を活用する留意点を3つ以上あげることができる。
児童生徒の写真や作品を自校のWebページ(ホームページ)やお便りに取り込む際の留意点を3つ以上あげることができる。
自校のWebページ(ホームページ)で、保護者や地域へ公開発信したら良いと思われる情報を3つ以上あげることができる。
100〜0
E












E-1

E-2

E-3
E-4
E-5
E-6

E-7
E-8

E-9
E-10
KEINS−NETを利用するときに必要なルールとして次の項目のうち3つ以上知っている。
KEINS-NETの総合教育センターWebページ(ホームページ)を利用して情報モラルに関する授業を行うことについて次の項目のうち3つ以上に該当する。
著作権について次の項目のうち3つ以上に該当する。
個人情報の管理について次の項目のうち3つ以上に該当する。
コンピュータウイルスについて次の項目のうち3つ以上に該当する。
インターネットから得た情報の信頼性、信憑性について次の項目のうち3つ以上に該当する。
パスワードの取り扱いの留意点について3つ以上あげることができる。
文書やフロッピーディスク等の媒体の管理・破棄の仕方について3つ以上あげることができる。
情報セキュリティーに関する事柄で次の項目のうち3つ以上できる。
総合教育センターや公的機関等が実施する研修で情報モラル、危機管理に関する研修を受講したことがある。
100〜0

見直しを行った自己評価システム(Excel)

リンクをクリックすると、新しいウィンドウにExcelファイルが開きます。このファイルにはマクロが含まれています。メッセージが表示されたら、マクロを有効にする設定を選択してください。(Excelのマクロセキュリティの設定が「中」である必要があります。)

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